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[南葛SCとともに戦うパートナー企業の過去・現在・未来] 「6つの行動指針と技術の6項目。お互いの共通点を胸に」/株式会社ハシモト 橋本貴裕 代表取締役社長

2026/1/19 20:13

南葛SCのパートナーとして、チームとともに戦ってくれている企業をピックアップ。今回は、2025シーズンよりパートナー契約を締結した株式会社ハシモトを紹介します。まもなく創立100周年を迎える企業のこれまでの歩み、玩具業界の現在地と今後の展望、社長が提示する“6つの行動指針”などについて、営業担当の加藤政哉(FW 11)も同席の上、橋本貴裕代表取締役に話を聞きました。

写真=野口岳彦

創業当時からおもちゃ一筋。長年にわたり積み重ねたノウハウ

東京都葛飾区に位置する京成青砥駅とJR新小岩駅。前者はホームゲームの試合会場、後者は新スタジアム建設候補地の最寄り駅として、それぞれ南葛SCにゆかりのある駅と言えるだろう。偶然にも、両駅は98年前の昭和3年に開業している。その翌年、東京都墨田区向島を拠点に、橋本玩具製作所が立ち上げられた。西暦で言えば1929年。株式会社ハシモトは、間もなく100周年という大きな節目を迎えようとしている。

創業のきっかけは、新聞のアイデアコンテストに出した機械仕掛けのおもちゃだったという。当時はよく「アヒルのハシモト」と呼ばれた。ブリキを使ったアヒルのおもちゃを手掛けていたことがその理由だ。橋本貴裕代表取締役社長は、ここまでの歩みをこう語る。

「私自身は3代目の社長になりますが、我々は創業当時からずっとおもちゃ一筋でやってきました。中でも“作る”という部分に特化して長年やってきたので、その過程で積み重ねてきたノウハウは、会社としての強みの一つと言えると思います。時代によって“作るもの”は変わりますが、 “作る”という作業そのものはこの先も世の中で必要とされ続けると考えています」

大学卒業後、5年間にわたり証券会社に勤務していた橋本社長。1999年に株式会社ハシモトに入社し、2006年から社長を務める。結婚を機に大きく業種を変えることになったというが、「まさか自分がおもちゃ屋さんになるなんて、夢にも思っていませんでした」と笑う。製造業を基軸に株式会社ハシモトは事業規模を拡大させていく。橋本社長はその過程に関わり続けてきた。

「我が社の“作る”というパートでは、例えば南葛SCのパートナーである株式会社タカラトミーさんの商品や、自社のオリジナル商品を生産しています。日本のおもちゃ製造業者の多くは、外注先の工場に依頼して商品を生産しているのではないかと思います。我々は中国とバングラデシュで自社工場を稼働させているため、自分たちペースと方法で工程、生産、品質の管理をすることができるのです。もっとも、このように述べると“株式会社ハシモト=工場”のようなイメージを持たれるかもしれません。その点で言えば、おもちゃやグッズのデザイン、企画立案、販売、海外への輸出など、今では複数のサービスをワンストップで対応できる体制が整っています。先ほど触れた自社工場の部分も含め、それぞれの業務を自分たちの手でコントロールできるというのは、我が社ならではと言えるのかもしれません」

知的財産を育て、知名度を上げ、グローバル化させていく

玩具業界の過去・現在・未来について聞くと、橋本社長は「おもちゃ」という言葉の捉え方について話し始めた。

「感覚的に、おもちゃには長い歴史があるような気がしませんか? 実際にはいつ・どのタイミングから『おもちゃ』と呼んでいたかは分かりませんが、よく考えてみるとおもちゃの歴史というのは決して長いものではないんです。例えば、我が社が創業時に扱っていたブリキのおもちゃ。これも日本国内では150年程度の歴史しかないですし、プラスチックのおもちゃとなるとさらにその歴史は浅くなる。その中で、時代の移り変わりとともにデジタルゲーム、カードゲームなど、それまでのおもちゃとは大きく異なるものが出てきました。子どもが遊ぶものを総称して『おもちゃ』という言い方をするのであれば、その対象は本当に幅広くなったと感じます。一方で、業界全体の売り上げは1兆円を超え、伸び続けているという情報もあります。そう考えると、今や『どこまでをおもちゃと捉えるか?』と定義するのは、なかなか難しくなっているような気がしています」

「これはおもちゃなのか?」。橋本社長がその一例として挙げたのが、株式会社ハシモトが日本での販売権を保有しているワクク(WAKUKU)のような商品だ。

「今、世界的に伸びている産業の一つとして、知的財産が挙げられます。キャラクターやアニメなどの価値は、世界各国で爆発的に高まりしつつある。中国を中心にアジア圏でよく売れているワククもその一つです。では、これはおもちゃなのか? ぬいぐるみに分類するならおもちゃかもしれません。一方では雑貨とも言えるし、ファッションの一部として使っている方もたくさんいます。人によって捉え方が異なるので、『ワククが欲しい』と思う対象はとても広いんです。日本では園児くらいの子どもから、70歳前後の年配の方まで興味を示している。さらに、世界的なセレブレティは数百万円するであろうブランドもののバッグにキーホルダーとしてつけています」

知的財産をどう育て、いかに知名度を上げてグローバル化させていくか。世界中の多くの企業がさまざまな取り組みを見せる中、株式会社ハシモトも2025年末にクロージィー(ClawZ)という新たなキャラクターを生み出した。発売前の時点で、橋本社長は業界の変化とともに、その可能性の大きさを改めて実感したという。

「現在はこのジャンルの市場が非常に好調なため、多くの注文をいただきました。今まではおもちゃ屋さん、雑貨ショップがその中心だったのですが、今回のクロージィーは本屋さんやアパレルショップからの注文も届いたんです。従来とは違う流通に商品が入っていくことで売り先が広がり、必然的に販売数も伸びていく。一般的なおもちゃの売り上げはやや苦戦しているところもありますが、知的財産というカテゴリーも含めて考えると、この業界の伸びしろはまだまだ大きいものがあると感じています」

熱意・挑戦・自分に矢印を・ワクワク感・危機感・考える

玩具業界における諸外国との競争について、橋本社長は現実をこう捉えている。

「コロナ禍の約3年間、日本人も世界中の人々も、自分の国から出て行くことができませんでした。その間に、中国のおもちゃ業界はあり得ないくらい進化したんです。キャラクターものもそうですし、他のおもちゃもすごく進化しました。それまで、おもちゃを作ることや扱うことは日本人の得意分野と言われていましたが、今では圧倒的な差をつけられている。今や中国だけでなく、アジアの他の国にも及ばない状態なので、ここからどう巻き返していくかというのは我々のテーマの一つになっています」

そのテーマをクリアするためにも、橋本社長が常日頃から社員に伝えていることがある。

「我が社が目指しているのは、とてもシンプルなことなんです。それは“いい商品を作る”こと。デザインがいい。値段が安い。安全である。流行にマッチしている。多くの人にニーズがある。こういった“いい商品を作る”ことがすべてであり、逆にそれ以外はすべて無駄なこと。だからこそ、“いい商品を作る”ために一人ひとりには集中して仕事に取り組んでほしい。もし何か問題が発生した時も、“いい商品を作る”ために改善していくというスタンスで臨んでほしいと思っています」

株式会社ハシモトの公式サイトには経営理念が記されたページがある。その中には、橋本社長が考案した「熱意・挑戦・自分に矢印を・ワクワク感・危機感・考える」という“6つの行動指針”が書かれている。各指針をクリックすると、その言葉に込められた説明文が浮かび上がってくる(https://hashy.com/about-hashy/policy/)。

「かつて取引先の企業の方から、『会社の経営理念を考えたほうがいい』という言葉をもらったことがあります。確かに、会社としてしっかりやっていくためにも、社員のみんなが同じ方向を向ける理念や指針のようなものが必要だなと。その後、海外出張時のホテルの部屋で、思いついた順に書き留めました。誰かに校正をしてもらったわけではないので、今見るとけっこう稚拙というか、我ながら適当な言葉も含まれているなと感じます(苦笑)」

苦笑いしながらも、「ただ、一つだけ作ってよかったなと思うのが……」と橋本社長がピックアップしたのが、「自分に矢印を」という言葉だ。その説明文にはこう書かれている。「人のせいにしない。自分ができることを考え、それを地道に実行する。自分が変われば、世界が変わる」

「世の中って、変えられないものもたくさんあるじゃないですか。例えば、その日の天気や自分の身長。人は時々、自分にはどうしようもできないものに対して不満を言ったり、そのせいでうまくいかなかったと文句を言ってしまいます。そんなことをしている暇があるなら、自分ができることに特化しよう、自分に矢印を向けて取り組み続けようと。社員の言動を見ていると、この言葉は作ってよかったなと実感する時があります」

話を聞きながら、橋本社長の前でほほ笑んだのが加藤政哉である。南葛SCを率いる風間八宏監督も、「止める・蹴る・運ぶ・受ける・外す・見る/見ない」という“技術の6項目”を選手たちに提示しつつ、ミーティング中や練習中には「人のせいにしない。もののせいにしない」と頻繁に口にしているからだ。「天気のせいにしない。グラウンドのせいにしない」という指揮官の言葉を、加藤は何度も耳にしてきた。

橋本社長自身、中学時代に部活でサッカーをやっていたという。

「小学生の頃は、下校したら毎日のように『キャプテン翼』ごっこをやっていました。今日は誰が翼くん役をやるのか、誰が若林源三と同じ帽子をかぶるのかと楽しんでいましたね。そういう少年時代を過ごしていたので、我が社の最寄りである八広駅の隣、四ツ木駅の『キャプテン翼』の装飾はとても賑やかで気に入っています。南葛SCの活動が年々活発になっていることももちろん認識していました。最近では新小岩のファミリーマート(葛飾たつみ橋店)の外観と内装が、選手たちや風間監督の写真で大々的にラッピングされましたね」

株式会社ハシモトと南葛SCは、2025シーズンからパートナー契約を結んでいる。橋本社長はチームに対して、「ぜひJ1まで上がって行くことを期待しています。J2だってJ3だって、昇格を果たすまでのハードルは高いのでしょうが、応援していますので引き頑張ってほしいです」とエールを送る。株式会社ハシモトは“6つの行動指針”を、南葛SCは“技術の6項目”をそれぞれ大切にしながら、社長と監督が明示する「自分に矢印を」「人のせいにしない」という共通のメッセージを胸に、2026年以降もともに前に進んで行こう。

【会社概要】
[会社名]株式会社ハシモト / Hashimoto Co., Ltd.
[本社]〒131-0032 東京都墨田区東向島6-55-13
[代表取締役]橋本貴裕
[資本金]6,300万円
[創立]昭和4年
[設立]昭和27年
[業務内容]玩具、雑貨のOEM事業/フィットネスクラブ カーブスの店舗運営・不動産管理事業/Hashyグループの総務経理代行事業
[物流倉庫]〒297-0012 千葉県茂原市六ツ野3918-1
[関連会社]株式会社ハシートップイン (Hashy Topin Co., Ltd.)/香港:Hashy Hong Kong Ltd./バングラデシュ:Hashy Tiger Co., Ltd.
[主要取引先]株式会社タカラトミー、株式会社タカラトミーアーツ、株式会社バンダイ、株式会社メガハウス、株式会社アガツマ、株式会社ハシートップイン(順不同・敬称略)
[主要仕入先]Hashy Hong Kong Ltd.
[取引銀行]みずほ銀行押上支店、三菱UFJ銀行向島支店