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【GAME PREVIEW】4/6関東リーグ1部第1節vsジョイフル本田つくばFC「開幕戦もいつもどおりのスタンスで」

2024/4/6 00:06

関東リーグ1部で常に接戦を演じてきた相手

2024年4月6日、第58回関東サッカーリーグ1部が開幕する。南葛SCは敵地でジョイフル本田つくばFCと対戦。ここ2シーズン、関東リーグ1部では常に接戦を演じてきた相手だ。

【2022年】
・前期2節(H)0△0
・後期2節(A)1△1[得点者]能登正人
【2023年】
・前期5節(H)1△1[得点者]楠神順平
・後期5節(A)1●2[得点者]大前元紀

昨季のジョイフル本田つくばFCは、全国社会人サッカー選手権大会で4位となり、全国地域サッカーチャンピオンズリーグにも出場。JFL(日本フットボールリーグ)昇格を競い合っていた姿は記憶に新しい。

技術の高さが生む、前に向かっていく速さ

風間八宏監督のもと、今季の始動から約3カ月が経過した。指揮官からキャプテンの一人に任命された玉城峻吾は、チームの変化についてこう口にする。

「当初は一つひとつのメニューに戸惑いを感じていたし、練習がスムーズに進まないこともありました。それが今では、選手一人ひとりが風間監督のスタイルを理解して、頭の中がすごく整理されてきた印象があります。とはいえ、レベルとしてはまだまだなので、全員の基準をもっと高めていきたい。基準が高まれば高まるほど、対戦相手は南葛SCのサッカーについてこられないだろうし、文字どおり“圧勝”できるようになると思っています」

風間監督の練習メニューには、指揮官がプレーの原則として提示する「技術の6項目(止める、蹴る、運ぶ、受ける、外す、見る見ない)+奪う」が綿密に施されている。日々のトレーニングを通じ、玉城も自身の成長を感じ取っている。

「“止める”という技術を一つとっても、最初は探り探りの状態で、ボールを静止させるだけで精いっぱいでした。でも今では、静止させながら蹴りやすいところ、次のアクションを起こしやすいところにボールを止められるようになってきた。他の選手たちも同じような感覚を抱いていると思いますが、当初と比べればみんなの技術の基準が上がってきて、プレーがスムーズになっている。それが、チーム全体の前に向かう“速さ”につながっているのだと思います」

玉城が言う「風間監督のスタイル」を、ピッチで表現している選手の一人が、桐蔭横浜大学から加入した田中大生だろう。東京カップの3試合では、外山佳大、柳裕元、長島武とともに全試合フル出場を果たした。風間監督の指導を受け、本人も自らの変化を実感している。

「個人的なところでは、ボールを受けたら『必ず前を向こう』『必ず前につけよう』という意識が芽生えつつあります。今までの自分と比べて、この点はものすごく変わったところです」

選手たちに対し、風間監督はポジションを立ち位置と捉え、特定のエリアに縛られたプレーを望まない。その点で、田中は最終ラインの一角として起用されることが多いが、試合中はピッチの中央や逆サイドでボールを受けることもあるし、時には最前線まで駆け上がってフィニッシュにも絡んでいく。

「大学時代はDFとして、左サイドでプレーすることが多かったんです。右利きの左サイドバックだったので、“偽サイドバック”というか、中の選手にボールを預けながら、自分もさまざまなスペースに入り込んで攻撃に関わっていく意識を持っていました。それが南葛SCでも生きていると感じる部分があります。ただ、大学時代に“意識してやっていたプレー”を、風間監督のもとでは“当たり前のプレー”として求められている感覚があるので、もっともっと自然に表現できるようにしていきたいと思っています」

開幕戦であろうとも、まずは自分のプレーに集中する

東京カップでは、1回戦で東京蹴球団、準決勝でSHIBUYA CITY FC、決勝でエリース東京FCを下して大会を制した南葛SC。この勢いとともに、玉城は今季の関東リーグ1部開幕を迎えようとしている。

「風間監督もよく口にしているのですが、練習でやっていることを試合で表現できなければ意味がないし、試合で表現できたからこそ初めて練習でやっていることが自信につながると。その意味で、東京カップでの優勝は大きな自信になりました。3試合を戦って4-1、1-1、5-2。1回戦と決勝では多くの得点をマークすることができた。まだまだ理想には届きませんが、内容でも数字でも相手を圧倒し、試合を見てくれた方々には強さを感じ取ってもらえたのではないかと思います。関東リーグ1部開幕戦でも、南葛SCらしいサッカーを表現できればと考えています」

もっとも、3試合とも特に序盤の戦いでは後手に回るシーンも少なくなかった。前方向を強調する風間監督のビジョンに対し、横向き、後ろ向きのボール運びが増えた感は否めない。田中が振り返る。

「自分たちがそういう状況になるのは、攻撃でも守備でも一人ひとりの距離感が遠く、相手にそのスペースを使われてしまう時。ハーフタイムに風間監督から『いつもどおりやればいいんだぞ』と声を掛けてもらって、ようやくチーム全体が普段のペースを取り戻していくような展開が続いています。その点で、キックオフ直後から選手同士がいい距離感を保ってプレーできるかどうかは、関東リーグ1部開幕を迎える南葛SCにとって、大きなポイントになるような気がします」

「特に改まった意気込みはないですね。なぜなら、ここからが日常の始まりだから」。関東リーグ1部開幕を前に、風間監督には全く力みがない。選手たちにも、その冷静な熱量は十分に伝わっている。玉城が言う。

「今年は、『いよいよ開幕だ』というテンションやプレッシャーの高まりを、いい意味で感じていないんです。練習の時から、周りのことを気にするのではなく、自分のプレーだけに集中して取り組むことができている。だから4月6日の試合も、『相手が』とか『開幕戦だから』という感覚ではなく、まずは自分のプレーに集中したい。結果的にそれがチームの力になればベストですし、全員がそういう意識で臨むことができれば、自ずといい結果がついてくるのではないかと思っています」

田中も「普段どおりのプレーを」と口にし、こう続ける。

「いい意味で、チーム全体に『開幕戦だからやってやろう』という気負いみたいなものはありません。本当に、選手全員がいつもどおりのスタンスです。ただ個人的には、リーグ開幕戦に向けてかなり気合いが入っています。最終ラインから積極的にボールを前につけて、どんどん攻撃に関わって、最後は得点に絡むところまでいきたいと思っています」

開幕戦もいつもどおりのスタンスで――関東リーグ1部第1節、ジョイフル本田つくばFC戦は4月6日17:00キックオフ。2024年のリーグ開幕戦、南葛ファミリー全員でともに戦おう。

大会:2024年度 関東サッカーリーグ1部第1節
日時:2024年4月6日(土)18:00Kick off
対戦:ジョイフル本田つくばFC vs 南葛SC
会場:セキショウ・チャレンジスタジアム
配信:https://www.youtube.com/watch?v=UGCvpX2du3E