堅い試合展開となった東京国際大学FC戦

　9月9日に行われた関東サッカーリーグ1部後期7節、敵地での東京国際大学FC戦はスコアレスドローで終わった。その6日前、東京23FCとの後期6節で劇的な同点弾を蹴り込んだ秋山大地は、後半半ば過ぎの70分からピッチに立った。

「長いボールを放り込まれたあと、なかなかセカンドボールを拾うことができず、徐々に相手ペースになっていった。これが後半途中までの印象でした。僕はそういうタイミングでの出場になったので、まず意識したのはしっかりとセカンドを拾うこと。何度かいい形でボールを回収できたシーンもありましたが、思うように攻撃に転じることができませんでした。僕も含め、ボールを奪ったあとに早いタイミングで蹴ってしまうケースが多く、南葛SCらしいリズムを作ることができなかったという感覚です」

「東京国際大学FC戦は本当に負けられない試合だったし、堅い展開が続いた」と振り返るのは楠神順平だ。秋山同様に、攻撃面に課題を見いだした。

「正直なところ、負けられない試合となると攻撃面でのチャレンジが少なくなってしまうし、チームとしてどうしても難しい展開になってしまいます。だからといって、点を取らなければ勝つことはできない。相手陣内に入っていく回数を増やし、一人ひとりが落ち着いてもっとアイデアを出し合うことが大事。そのためにも、相手のコートではよりリラックスした状態でサッカーをしたいという思いがあります」

東邦チタニウムの堅守をこじ開ける

　今節の対戦相手は東邦チタニウムである。2021シーズン、ともに関東リーグ2部から1部への昇格を決めたチームであり、現在9位（勝ち点16）の南葛SCに対し、東邦チタニウムは5位（勝ち点21）につけている。

　関東リーグ2部でしのぎを削った2021シーズン以降、東邦チタニウムとはリーグ戦で5度対戦。4試合連続ドローで迎えた今シーズン前期の一戦では、玉城峻吾と楠神のゴールで初勝利を挙げている。

【2021年：関東リーグ2部】
・前期5節（A）2△2［得点者］河本明人、幸野志有人
・後期5節（H）0△0
【2022年：関東リーグ1部】
・前期1節（A）1△1［得点者］楠神順平
・後期1節（H）1△1［得点者］梶塚大哉
【2023年：関東リーグ1部】
・前期8節（H）2○0［得点者］玉城峻吾、楠神順平

　東邦チタニウム相手に2シーズン連続ゴールをマークしている楠神は、今節の戦いに向けてこう語る。

「東邦チタニウムは失点が少なく（※）、手堅いサッカーをしてくるイメージがあります。だからこそ前節の反省も踏まえ、相手コートに積極的にボールを運んで、チーム全員で堅い守備をこじ開けられるような攻撃を仕掛けたいと思っています」
（※）ここまで16試合を戦い、失点数は13。前節優勝を決めたVONDS市原FC（6失点）に続き、10チームの中で2番目に少ない。

　秋山は“南葛SCらしさ”を強調する。

「東京国際大学FC戦では、相手のやり方に合わせてしまったところがありました。東邦チタニウムも、どんどん前線にボールを当てて攻撃をしてくるチームだと思います。僕らとしては、そのやり方につき合わないこと。南葛SCらしく、ボールをつなぐサッカーが展開できれば前にも進んでいけるし、主導権も握れると思います」

もはや引き分けも許されない試合
　
　4月2日に開幕した2023シーズンの関東リーグ1部の戦いは、早いもので残り2試合となった。秋山はこの先の戦いに向けたポイントと意気込みをこう口する。

「後期に入ってなかなか結果が出ていませんが、勝てる試合を自分たちで落としてしまったこともありました。個人的には、“後半の戦いぶり”が試合の行方を占うカギではないかと思っています。前節は僕も後半半ばから出場しましたが、途中交代でピッチに入る選手がどれだけチームに力を与えられるかどうか。これがとても重要な気がしています。もちろん、スタートから出ている選手も含め、後半をしっかりと戦い抜くことができれば、きっと勝利を手にできると思う。ファン・サポーターの皆さんも、勝利だけを待っているのではないかと思います。もはや、今節以降は同点もダメな状況。全員の力を合わせて、必ず勝てるように頑張ります」

　楠神も思いは同じだ。「今節は本当に勝たなければならない試合。引き分けも許されない。何としても勝てるようにみんなで頑張りたい」と言い、こう続ける。

「今シーズンは、当初思っていたような展開にはならず、苦しい戦いが続いています。そのなかでも、ホームタウンでお会いする方や、SNSを通じてメッセージをくださる方は、すごくポジティブな言葉を僕ら選手に投げ掛けてくれる。本当にありがたいことです。そんな皆さんに、最後の最後まで残念な結果を見せるわけにはいかないし、これ以上、落胆させるわけにはいきません。応援してくださるファン・サポーターの方々に笑顔になってもらうためにも、今節は何としても勝利を届けられるように、チーム一丸となって戦います」

　何としても勝利を届けられるように――。関東リーグ1部後期8節、東邦チタニウム戦は9月16日14:00キックオフ。今節も、南葛ファミリー全員でともに戦おう。

試合：関東サッカーリーグ1部後期8節
日時：2023年9月16日（土）14:00キックオフ
対戦：東邦チタニウム vs 南葛SC
場所：柳島スポーツ公園 総合競技場（観戦無料）
配信：https://www.youtube.com/watch?v=_nOlw0T4UDw