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サッカーもビジネスも“つながり”を大切にしながら /株式会社国際貿易 矢田誉 代表取締役社長

2023/6/28 13:50

南葛SCのパートナーとして、チームとともに戦ってくれている企業をピックアップ。今回は、2023シーズンよりパートナー契約を締結した株式会社国際貿易を紹介します。今年で105周年を迎えた企業のこれまでの足跡、商品開発時の信念、さらには南葛SCへの期待について、営業担当の森山翔介(FW 18)と野村海(MF 14)も同席の上、矢田誉代表取締役に話を聞きました。

写真=野口岳彦、松岡健三郎

最大のターニングポイントは「バービー人形」への関与

 株式会社国際貿易が創業したのは、1918年のことである。今から100年以上前、日本の元号がまだ「大正」だった時代に、「国際貿易」というスケールの大きな言葉が社名に用いられた背景を、矢田誉代表取締役社長はこう説明する。

株式会社国際貿易 矢田誉 代表取締役社長

「創業当時は第一次世界大戦の真っ只中で、ヨーロッパの大半が機能しない状態でした。そこで、日本の輸出が世界の多くの国を支えます。ヨーロッパには軍需品を、ヨーロッパからの輸入が途絶えた国々には、日本のさまざまな製品を輸出する機会が増えたのです。当時、日本の多くの青年たちは、それぞれの立場で“国家のために”という熱い思いを持っていました。弊社の創業者である井上清太郎も同様です。『我が社の輸出を通じて、国家の利益に貢献したい』。井上のこの輸出報国への思いが、『国際貿易』という社名に込められているのです」

 2023年、国際貿易は創業105周年を迎えた。現在は乗り物を中心とした玩具、模型、雑貨などを手がけることで知られるが、ここまでの長い歩みのなかでは、実に多彩な商品を取り扱ってきた。スポンジ、ゴム雑貨、化粧品容器、文房具、さらには人形、楽器、ジグソーパズル、フラフープをはじめとした玩具なども挙げられる。

「我々は商社なので、『この分野のことしかやってはいけない』と、業務内容が限定されるようなことはありません。それぞれの時代の特徴をきちんと見極め、その時々に求められる商品やサービスを取り扱いながら、国際的なニーズに応えてきました。諸先輩たちも、自身の頑張り次第によってどのようなことにもチャレンジできる組織のなかで、海外のものを日本に、日本のものを海外に数多く紹介してきました。その経験や知見の積み重ねが、105年という歩みのなかに詰まっています」

南葛SC 森山翔介(左)野村海(右)選手

 国際貿易の長い歴史において、矢田社長が「一番のターニングポイント」として挙げたのが、「バービー人形」の開発、生産、輸出を手がけるようになったことである。日本で初めてソフトビニール人形を商品化し、国内のみならず、北米でも人気を博した直後の1957年だった。

「アメリカのマテル社から、バービー人形に関する依頼を受けました。マテル社の要求は非常に高く、開発から発売までこぎつけるのに、とても大変な日々を送ったと聞いています。バービー人形に携わる前は130~140名だった社員数が、バービー人形に関わり始めてからは600~700名に増えました。この人数の変化からも、どれだけ大きなプロジェクトだったかが伝わってくるのではないかと思います」

 商品化まで苦戦が続いたバービー人形だったが、発売以降はアメリカやヨーロッパ諸国で大ヒットし、いつしか世界中の誰もが知る着せ替え人形となった。この偉大な成功と実績によって、当時の関係者の苦労や努力が報われると同時に、会社としてもさらに1段、2段とギアを上げ、その成長スピードをより加速させていく大きなきっかけとなったのだった。

ロゴマークの“K”と“B”は「ケチ」と「貧乏」の頭文字?

 就任5年目を迎えた矢田社長は、自社のロゴマークに関するエピソードとともに、現在の国際貿易が大切にしていることをこう口にする。

「社名を英字にすると『KOKUSAI BOEKI』なので、そこから抽出した“K”と“B”をそれぞれ“輪”のなかに入れてロゴマークを形成しています。かつては社員たちが、このロゴを見ながら『“ケチ”で“貧乏”に“輪”がかかっている』とよく笑い合っていたそうです。もちろん、社内的な冗談ですよ(笑)。一方、私は現在ともに働く社員たちに向けて、よくこう言います。『確かにケチで貧乏かもしれない。それでも、“人の輪”を大切にしながら仕事に取り組んでいこう』と。国際貿易がビジネスを進めていく上では、何よりも人と人のつながりを大事にしていきたいと考えているのです」

 南葛SCのホームゲーム時に掲出する国際貿易のアドボードには、おなじみの「KB」のロゴとともに、「プルプラ」という文字が描かれている。矢田社長は、「一般の方々は、『プルプラって何だ?』って思いますよね」と笑いながら、その意味と商品開発時のコンセプトについて話を続ける。

「簡単に言えば、後方に引いて、手を離すと走り出す乗り物のおもちゃです。そして、『プルプラ』というのは『プルバックプラス』の略称で、弊社における鉄道シリーズのオリジナルブランドになります。プルバックトイにプラスαの要素を詰め込んだことから、『プルプラ』と名づけました。ゼンマイ駆動式なので、電池や電源は不要。引いて離せばいつでも走り出すというのは、一般的なプルバックトイと同じです。ただ『プルプラ』には、線路の上も走行できるという新たな要素を加えました。やはり、お子さんが電車のおもちゃで遊ぶ場合、線路の上を走らせたいと考えますよね? このように、“子どもたちがおもちゃで遊んでいる姿”を常に意識しながら、私たちは商品の開発に取り組んでいます」

『プルプラ』は、専用のレールの上はもちろん、本格的な鉄道模型で用いられることの多い、Nゲージという9mm幅の線路の上も走ることができる。そこには、世代を超えたコミュニケーションの機会創出を図ろうとする、国際貿易ならではの思いが込められている。

「例えば、もしお父さんが鉄道のジオラマを作ることが趣味であれば、きっとお子さんはその線路の上で『プルプラ』を走行させるでしょう。お父さんにとっては大事なジオラマですから、口では『高価なんだから、この線路の上を走らせるのはやめてくれ』と言いつつも、心のなかではうれしさや喜びの感情を抱いているに違いありません。お子さんが一人で遊んでいる姿とともに、“一つの玩具を通じて、さまざまな世代が笑顔でコミュニケーションを取っている姿”もイメージしながら、国際貿易はこれからも商品を開発し、販売してきたいと思っています」

会社のビジョンにマッチする南葛SCのサッカースタイル

 2023年4月、国際貿易は南葛SCとパートナー契約を締結した。1918年の創業時は東京都赤坂区(現・港区)に社屋を構え、その後は中央区や台東区などに本社を移転させ、1976年からは南葛SCのホームタウンである葛飾区を拠点としている。

「ここ数年、地域社会に貢献する上で、会社として何かいい取り組みはないかと模索してきました。そのなかで、私自身や取締役の松本(裕一)がスポーツ好きということもあり(特に松本取締役はサッカーが好き)、自然と『キャプテン翼』にたどり着きました。45年以上にわたって葛飾区を拠点とする私たちにとって、『キャプテン翼』は最も身近な作品であり、最も有名で誇らしい作品の一つ。その原作者である高橋陽一先生がオーナー兼代表を務める南葛SCは、『葛飾からJリーグへ!』という壮大かつ素敵な目標を持って活動している。ならば、南葛SCのこれからを一緒に作り上げ、一緒に目標達成を目指していこうと考えたのです」

 南葛SCとのパートナー契約締結後の様子について、矢田社長は「予想どおり反響がありました」と言い、ビジネスシーンでの一例をこう話す。

「今年5月、第61回静岡ホビーショーが開催される直前に、南葛SCのエンブレムと大空翼のイラストがプリントされた弊社の新しい名刺が出来上がりました。ホビーショーで国内外のメーカーの方と名刺交換をするたびに、翼くんの存在は必ず話題になりますし、さまざまなシーンで商談へとつながる大きなきっかけとなっています」

 矢田社長は南葛SCのサッカースタイルを述べながら、シーズン後半戦でのさらなる飛躍を期待する。同時に、“株式会社南葛SC”の営業部として、国際貿易の担当を務めている2選手に向けてもエールを送った。

「南葛SCといえば、選手一人ひとりの高い技術と、チーム全体が連動したパスワークが大きな特長。仲間を信頼して全員でパスをつないでいく姿を見るたびに、人と人とのつながりに重きを置く国際貿易のビジョンとマッチしていると実感します。ぜひ南葛SCらしい戦い方を貫いて、勝利を積み重ねていってもらいたい。さらに、弊社を担当してくれている森山翔介選手と野村海選手の活躍が見たいですね。森山選手には引き続きリハビリに取り組んでもらい、負傷箇所をしっかり治して復帰してほしい。出場機会を増やしつつある野村選手は、攻守において本当に一生懸命走っていますよね。ぜひこれからも、チームの勝利につながるようなプレーを期待しています。今2人が目の前にいるから言うわけではありませんが、森山選手と野村選手が弊社を担当してくれて本当によかった。2人とも元気だし、明るいし、何よりも笑顔が素敵。ものすごく応援のしがいがあります」

 国際貿易は創業105周年、南葛SCは設立10周年。それぞれにとって節目のタイミングで結ばれたパートナー契約は、お互いの綿密なコミュニケーションもあって、日増しにそのつながりが深まっている。これからも手を取り合い、目標達成に向けてともに歩み続けていこう。地域の皆さんの笑顔をさらに増やし、ホームタウンである葛飾をよりいっそう盛り上げていくために。

【会社概要】
[会社名]株式会社国際貿易
[英文名]KOKUSAI BOEKI KAISHA, LTD
[所在地]〒124-8503 東京都葛飾区四つ木5丁目25番12号
[連絡先]TEL 03-3694-7281 FAX 03-3694-7742
[URL]https://www.kokusaiboeki.co.jp/
[創 業]大正7年(1918年)6月
[創 立]昭和12年(1937年)11月
[資本金]1億円
[代表者]矢田 誉
[年 商]3.0億円(令和元年度)
[取引銀行]みずほ銀行本所支店、三菱UFJ銀行浅草橋支店
[事業内容]玩具、模型、雑貨の製造販売及びそれに伴う輸入と輸出

【ホームゲーム来場者スペシャルプレゼント】

7月2日(日)、先着800名様に南葛SCと国際貿易がコラボした特製タグキーホルダーをプレゼント!

7月2日(日)に葛飾区奥戸総合スポーツセンター陸上競技場で開催される、関東サッカーリーグ1部前期8節「南葛SCvs東邦チタニウム」では、入場ゲートを通過された先着800名様に、南葛SCと(株)国際貿易によるコラボレーショングッズ、「特製タグキーホルダー」をプレゼント! 当日はぜひ会場にお越しいただき、このキーホルダーをゲットしてください!

[試合情報]

<日時>2023年7月2日 (日) 18時キックオフ(17時ゲートオープン)
<対戦>関東サッカーリーグ1部 前期8節 南葛SC vs 東邦チタニウム
<会場>葛飾区奥戸総合スポーツセンター陸上競技場
<詳細>https://www.nankatsu-sc.com/39806.html