前後半40分ハーフ

　全国社会人サッカー選手権大会（全社）の関東予選決勝の相手は、関東サッカーリーグ2部に所属する厚木はやぶさFCである。選手個々のうまさと強さを特長とするチームに対し、南葛SCは短いパスでリズムを作り、サイドチェンジを効果的に取り入れてピッチを幅広く活用。両サイドにポジションを取る選手たちが積極的に前に仕掛けながら、攻撃を活性化させていった。
　
　7分には、左サイドの野村海から中央の大前元紀、今野泰幸を経由し、最後は右サイドバックの佐々木達也がファーストシュート。12分には、右サイドの関口訓充が相手のプレスを跳ね除けてゴール前へボールを送る。大前のヘディングがGKに当たってこぼれたボールを、奥原零偉が体ごとゴールへと押し込んだ。
　
　前半の終盤と後半の立ち上がりには、野村が存在感を発揮。34分には大前から、43分には玉城峻吾からサイドを変えるミドルパスを引き出してゴールを狙う。後者のシーンでは、相手DFよりもワンテンポ早くボールに追いつき、左足をコンパクトに振って南葛SCの一員として公式戦初ゴールをマークした。
　
　イトゥアーノFC横浜との準決勝同様、終盤の試合運びは今後に向けた伸びしろと言えるだろうか。50分、69分に失点を喫し、延長戦まで含めた100分間の戦いは2-2で終わった。
　
　両チームともフィールドプレーヤー全員に出番が回ってきたPK戦は7-8。2023シーズンの南葛SCにとって、全社の戦いは関東予選で幕を閉じることとなった。