序盤から持ち前のパスワークを駆使し、試合の主導権を握った南葛SCウイングス。結果的には、前節終了時点で首位の神奈川大学を相手に、4-0という快勝を収めることに成功した。
　
　先制点が生まれたのは、右コーナーキックのチャンスを手にした31分。キッカーの菅野永遠は、左足でファーサイドにボールを送り込む。柔らかさと鋭さを兼ね備えたボールは、セーブを試みた相手GKの手を押し返すように、サイドネットへと吸い込まれていった。
　
　勢いに乗るウイングスは、6分後に追加点をマークする。自陣深くからのフリーキックの場面。早田さくらのフィードを、ペナルティーエリア内で人見のどかが頭でつなぐ。走り込んだ会沢日花里は、ワントラップすると同時にシュートモーションに入り、右足ボレーで力強くゴールへと蹴り込んだ。
　
　さらに、その4分後の41分には、センターバックの鈴木紋伽が圧巻の存在感を発揮。自陣で力強く相手の攻撃を跳ね返すと、チームメートと連係しながら前線へと駆け上がっていく。ボールは鈴木→高原麻実→鈴木→中谷汐音→鈴木→瀧澤璃麻へとつながり、右サイド深くの瀧澤からのクロスを会沢がヘディングシュート。GKが弾いたボールを、最後は鈴木が頭で押し込んで3-0とした。
　
　ウイングスは後半も局面局面で優位に試合を進めていく。88分には鈴木が獲得したPKを、途中出場の広瀬永里香が左下に決めてリードを4点に広げた。選手それぞれが相手よりも早いテンポで動き出すことで、適切なパスコースが生まれ、スピーディーにボールが動き、その積み重ねがゲームを支配することにつながった。
　
　今節をもって今シーズンの前期は終了。ウイングスはここまで3勝1分け3敗の勝ち点10。首位まで勝ち点差6の4位へと順位を上げた。後期のスタートは6月18日、敵地で早稲田大学と対戦する。