南葛SCは序盤からリズムをつかみ、東京23FC陣内へと攻め込んでいく。2分には、左サイドでボールを受けた大前元紀が、見事な股抜きで相手選手をかわし、最終ラインとGKの間を突くセンタリングでいきなり決定機を演出した。3試合連続先発出場となった野村海も、左サイドで躍動する。「過去2試合よりもいいパフォーマンスを披露できる自信があります」と試合前に語っていたアタッカーは、持ち前のスピードとドリブル突破でチームの攻撃を活性させていった。
　
　またこの試合では、稲本潤一がスタメンに名を連ね、今シーズン初めて公式戦のピッチに立った。経験豊富な背番号8とダブルボランチを組んだ奥原零偉も、幅広いエリアで存在感を発揮。ボールホルダーに対する果敢なアプローチ、球際の強さ、そしてボール奪取と同時にドリブルで持ち上がっていく推進力を披露し、54分には自ら攻め込んでフィニッシュへとつなげている。
　
　セットプレー時には大前の質の高いボールから、関口訓充や加藤威吹樹がチャンスをつかんだ。57分には、楠神順平のシュートが相手選手に当たってこぼれたボールを、河本明人がすかさずオーバーヘッドキックへと持ち込んでゴールを狙った。それでも東京23FCの守備を崩すことはできず、チームは今シーズン3敗目を喫した。6月中旬の全国社会人サッカー選手権大会関東予選を挟み、続く前期7節は6月24日に行われる。ここからリーグ戦は7週連続開催に突入。上位進出に向けた、勝負の夏がやって来る。